ミネラルウォーターの原料

ミネラルウォーターの原料は、言うまでもなく水です。どのような水がミネラルウォーターとなるのでしょうか。

空から降った雨や雪の大部分は、地表を駆け下って海に流れていきます。そして、その一部が樹木の表面を濡らし、木の葉にもたまり、また地中深くしみこんでいきます。しみこんでいく水は、長い年月をかけて砂や砂礫の層を何重にもくぐり、粘土層や固い岩盤などの不浸透層にぶつかっては滞留し、その層の上を流れていきます。この間に、幾層もの地層がフィルターになり、ろ過されるとともに、一方では地層を移動中、または滞留中に土壌の中のたくさんの種類のミネラル成分を微量、溶かし込んで行くのです。

これらの流れている地下水や、滞留している地下水をくみ上げたり、湧き出している地下水を容器に詰めたものがミネラルウォーターとなるわけです。

ミネラルウォーターは、天の恵み、大地の恵み、大自然の恵みをいただいているといいます。これは、大地が作り出したこのような過程を経て、ミネラルウォーター商品となり、私たちの元へやってくることから言われているのです。

その後、ミネラルウォーターは、そのままのナチュラルミネラルウォーター商品として、また、ミネラル調整やばっ気、他のミネラルウォーターとの混合などをされたミネラルウォーター商品として送り出されます。

私たちの元に届き、私たちが飲んでいるミネラルウォーターは、まさに大自然が生み出した水なのです。

ミネラルウォーターの製造方法

ナチュラルミネラルウォーターからミネラルウォーターを製造する過程はどのようになっているのでしょうか。

世界各地で製品化されているミネラルウォーターですが、国によって製造方法が違います。大きな違いはどこにあるかというと、原水を殺菌する工程です。日本やアメリカでは、原水を加熱殺菌か、またはそれと同等の効果をもつ方法で殺菌処理を行います。しかしヨーロッパでは、無殺菌・無除菌で製造されています。この違いは、それぞれの国の水に関する考え方や文化の違いから生まれているのでしょう。

日本では、食品衛生法の中にミネラルウォーターの製造基準が定められていて、その原水の基準に合った安全な水を使い、同じく食品衛生法で認められた製造設備で製造することとなります。

具体的にどんな方法が採られているかというと、まずくみ上げられた原水は、ストレーナーのような目の粗いろ過器を通して砂礫などの異物を取り除いた後、85℃30分の加熱殺菌か、またはそれと同等の効力をもつ殺菌か、ろ過除菌を行います。処理が終わると、充填機で容器に自動的に充填され、巻き締め機でキャップが密栓・密封されることとなります。その後に容器にラベルが貼られたり、ヒートシールされて、ダンボール詰めされて出荷されるというわけです。

こうして、流通経路に乗って、私たちの近くのお店まで届き、私たちはそれを買って飲むということになります。私たちの口にミネラルウォーターが至るまでには、こんな製造過程があるのです。

ミネラルウォーターと名水百選

ミネラルウォーターで、名水百選に選ばれた水を使用している商品があります。ミネラルウォーターを名水百選にはどんな関係があるのでしょうか。

まず、名水百選とはなんでしょうか。名水百選とは、1985年に環境省が日本全国にある清澄な水を対象に、優れたものの再発見に努め、一般に紹介してその普及を図ったものです。狙いとしては、水資源、水環境の保護の立場から選び、関係する地域住民の努力を顕彰する意味をこめて設定されたもので、こうした考えに基づき全国から100箇所の水を選び「名水百選」としたのです。したがって、名水百選の水は、すべてが直接「おいしい水」であったり「安全な水」であったりするわけではありません。

名水百選はこのようなものなので、すべてがナチュラルミネラルウォーターというわけではないのです。ミネラルウォーターで名水百選を使用しているのは、ナチュラルミネラルウォーターとして利用できるものだけです。

ミネラルウォーターで、原水が名水百選に選ばれた水であれば、それをPRすることは可能です。ただし、そのPRや表示が、名水百選がミネラルウォーターそのものを対象として選ばれたものであるかのようにしてはいけませんし、名水百選に選ばれたことで、その河川や湧水が飲み水として優秀である、とか安全であると認められるような表示もできません。これは、環境省により決められています。ミネラルウォーターで、「○○の名水を衛生的に処理して製造しました」という表示であればOKです。

このように、ミネラルウォーターと名水百選には違いがあり、イコールで考えてはいけないのです。

ミネラルウォーター 軟水と硬水の使い分け

ミネラルウォーターなどの水は、アルコールなどと同じように物の香りや味を引き出すことができます。ミネラルウォーターの硬水と軟水では、ミネラルの少ない軟水の方が、味や香りを抽出する力が強いです。ですので、コーヒーや紅茶、緑茶やウイスキーなど、香りを大切にするものは軟水を使ったほうが美味しくなります。ご飯なども穀類のよい香りを引き出すために軟水を用いたほうが美味しくできます。

お茶では、人によって好みが分かれますから、もしもお茶の渋みや苦味を楽しみたければ軟水を使うと良いでしょう。硬水を使うと、マイルドで飲みやすくなります。コーヒーの場合でも、浅煎りのアメリカンでは軟水を使うと豆本来の良い香りとさっぱりとした味を楽しめます。深煎りのエスプレッソなどでは、硬水を使うと渋み成分がカルシウムなどに結びつき、苦味・渋みがなくなり、まろやかでコクが加わります。

昆布やかつおでだし汁を取るときには、軟水を使いましょう。グルタミン酸、イノシン酸などの旨み成分が抽出されやすいので、おいしくなります。

肉料理の場合では、抽出力の強い軟水では肉の臭みまで出してしまいます。ですので硬水を使うと、肉のたんぱく質とカルシウムが結合して、アクとして抜けるので、良い味が出てきます。

このように、ミネラルウォーターの硬水と軟水を使い分けることで、食卓が豊かになります。香りを出すときは軟水、それ以外は硬水と覚えておくと美味しい食生活の助けになるかもしれません。